
禁断兄妹
第24章 美弥子の告白
黙ったままの俺を説得するように
美弥子は話し出す。
「柊君が、私達のことを許せないって思ってるのは、わかってる。でも、このまま会わなければ、絶対に後悔する‥‥巽さんも、柊君も、私も‥‥。
柊君、私、聞いて欲しいことがあるの」
「‥‥」
「巽さんから、こう聞いたと思う。『萌を妊娠する二年前から私達は不倫の関係だった。萌を妊娠し堕ろすと言った私を巽さんが止めて、生ませた』と‥‥。
これは確かに事実だけれど、全てではないわ。巽さんは何を言っても言い訳になるだけだと思っているけど、言葉が足りていないと私は思うの。
巽さんをかばう訳でも、私の言い訳のつもりでもない。ただ柊君に謝りたいから、全てを話したいの。
柊君が巽さんと口論になったあの時、あなたに殴られてでも出ていってきちんと話して謝るべきだったのに、足がすくんで動けなかった。今更だけど、聞いて欲しいの‥‥」
