
禁断兄妹
第63章 聖戦
急加速していく
心拍数
目を凝らすように
記憶を
更に遡らせる。
萌の後を追って外に出た俺が
辺りを見回し萌の後ろ姿を見つける数秒前
視界の端で
俺から隠れるように背を向けたのは
同じ
黒い人影ではなかったか‥‥?
しかも俺は
この色を纏った人間を
どこかで見たことがある
一体いつ
どこで───
「‥‥!!」
繋がった記憶が
頭の中に火花が散らし
一人の男の姿を
鮮明に浮かび上がらせた。
燻っていた不安の正体
今
はっきりと
像を結ぶ。
あいつ
なぜ萌を
つけてる
どうして
何の
為に
