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「行くっ！」

将人兄ちゃんの野球部は俺たちの野球がお遊びに見えてしまうほど、真剣で厳しかった。

それもそうだ。

その高校は、甲子園の強豪校だったからだ。

その中でも、将人兄ちゃんは群を抜いてうまかった。


『君が春樹くん？』

厳しい練習を手に汗握りながら、見ていると、声をかけられた。

パッと振り向くと、優しい笑顔がそこにあった。

呆然とその人を見ていると、お腹を抱えてケラケラと笑い出す。

『あたしはね、野球部の女子マネージャー。
そこまで、警戒しなくてもいいんだよ？』

その後、将人兄ちゃんから彼女だと聞かされた。

こんな彼女なら、俺も欲しいなと思った。

そんな気持ちが恋に変わるのにそこまで、時間はかからなかった。