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無垢な姫は二度、花びらを散らす~虫愛ずる姫君の物語り~

第2章 壱の巻

「ね、可愛いでしょう?」
 満面の笑みを湛えて言う公子は、確かに可愛らしい。二十歳を迎える姫君とは思えぬほど―幼顔のせいか、せいぜいが十六、七にしか見えないだろう。
 相模は、この姫を世間の人々に見せてやりたいと思う。
―うちの姫さまのどこかふためと見られぬ醜女ですって!?

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