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無垢な姫は二度、花びらを散らす~虫愛ずる姫君の物語り~

第4章 参の巻

 今、この男は何と言った?
―姫が俺の子を産めることが判ったのだから。
 耳奥で忌まわしい言葉が幾度もこだまする。
―厭ッ。私は、絶対に厭!!
 考えるだに、厭わしい。触れられただけでも厭でたまらないのに、この男の子どもを産むなどと想像しただけで怖ろしさと絶望に気が狂いそうになる。

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