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ショートラブストーリー

第5章 遥(はるか)

混乱する頭を抱えて部屋まで戻ると、千秋が膨れっ面で待っていた。

「はるかぁ…。どこ行ってたの!?」

「ごめんごめん!!…ちょっと散歩してた」

「もー!!お風呂から戻ってきたら部屋に鍵かかってて入れないし、湯冷めしちゃうよ」

二人で部屋に入って、備え付けのお茶を飲んでまったりする。

「お風呂良かったよ~!!露天風呂が広いの!!」

「そうなの!?」

「夜の12時に切り替わる…んだったかな?後で入っといでよ。絶対気持ちいいから」

「うん、いく~♪」

千秋と話しながらも、さっきの二人が気になって仕方なかった。

立ち聞きだから詳しくは分からないけど。

池上くんが誰かに告白するつもりなんだ、って事は確実みたいで…

池上くんが好きな子…誰なんだろう…

…私…ではないんだろうな。

朝、二人きりだったけど全然そんな感じじゃなかったし…。

諦めるしか、ないかな…。

「ん!?遥、どうしたの?元気なくない!?」

「ううん、ちょっと疲れちゃったかな~?これから宴会だからいっぱい食べなきゃね!!」

「え?飲むの間違いでしょ!?」

「そこまでのんべじゃないよ~!!」

笑いながらも、心のなかで

やけ酒にならないようにしなきゃ!!

と固く誓っていた。

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