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さようならも言わずに~恋は夢のように儚く~

第3章 弐

 俺は、馬鹿だ、大馬鹿だ。惚れた女の心の叫びや痛みにすら、気付いてやれなかった。
 嘉門は我と我が身を責めた。
 大声で喚きながら、何もかもをぶち壊してしまいたい。お都弥のいないこの世界になんて、何の意味がある? 
 どうしてなんだ、お都弥。
 あれほど約束したじゃないか。
 何故、俺を一人にする。
 自分だけ、一人で俺の手の届かない世界に旅立ってしまうんだ。

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