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さようならも言わずに~恋は夢のように儚く~

第2章 壱

 むろん、町の道場に身分を隠して時折ひそかに通っていたその頃、親嘉もまだ若く、気心の知れた友である守尚でさえ、この親友が後に幕閣の中枢において重きをなす老中首座にまで昇りつめようとは想像だにしていなかった。

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