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近くて甘い

第18章 片想いの星


「おい、君…」



何なんだよっ…



投げやりになりながら、浩平は腕を掴んできた要を見た。


「君は若いから大丈夫だ───」



余裕な笑みを見せてきた要に浩平は腹が立って睨み付けた。


こんなイケメンに…っ…



「俺の何が分かんだよっ!」


振り切ろうと腕を振ったが阻まれて浩平は、また強く睨み付けた。


情けない…っ
気持ちを伝えることが出来なかったがために…
知らぬ間に…藤木は人のものになっていて…



「お前には…俺の気持ち、ぜってぇー分かんねーよっ、」


こんなに虚しくて惨めで…辛い気持ちは…

こんなイケメンには無縁のはずだっ…




「────そうでもないな…」



思いがけない返事に、浩平は驚きを隠せぬまま要を見つめた。



「分かるよ、痛いほど…」



少し切なそうなその黒い瞳に、浩平はただただ押し黙ることしか出来なかった。


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