残業・メモ子
第78章 夜風
『……私…
藤原さんが――――――
―――…欲しいんです…』
「芽依子……?」
私は…小指で…藤原の小指を掴んだ…
『……覚えていますか…?
私は…影男を……貴方だと思って……
声をかけた――――――…』
小指が…
キュっと…握り返される…
「でも……俺は…
――――…影男じゃない…」
私は…もう一方の小指も…
藤原の小指に絡ませた――…
『はい…あの時は…
違うけど――――――…
その後…
私や大島さんを影で―――…
支えてた…
ホントの影男は――――…
藤原さん……貴方だった…』
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