残業・メモ子
第62章 面影
「そ〜言わず…
小さい頃は…この様に…先生と一緒にポスターとか…テレビとか〜出てたんですから〜…
その美貌…また…先生のために…使ってはいただけませんか〜?」
筧は…昔のポスターや…テレビ出演のプリントした写真を…テーブルに広げた…
そこには…まだ…疑うことを知らない…
…少女の私が…
母と…料理をしながら笑っていた…
ポスターも…若い母と…少女の私が…エプロン姿で笑っていた…
治まりかけていた鳥肌が…
動揺と共に…全身を支配した!
『あら!懐かしい、芽依子!見て〜貴女かわいい!』
「先生も、今とまったく…お変わりありませんよ〜」
…母を見つめる筧…
母を崇拝しているのか…
…筧も…母に魅了された一人なのだと…思った……
「……芽依子さんも、業務がありますし…
広告塔…と言う話は、社内会議で検討します。いいですか?」
話を無理矢理すすめそうだった筧に…大島が水を差した…
「あ…まぁ…検討していただきたい…
お互い悪い話では有りませんから…」
黒髪をぴっちり分けにしている筧は…崩れていない前髪を…なぞる…
見た目は…悪くないのだが…ねちっこい言い方…視線…髪型…
どれもが…気持ち悪く感じた…
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