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BL短編

第5章 罠に掛かるは甲か乙か

触れるのを止めたかと思えば、バッグをがさがさと物色する。
出したのは小さな小瓶。

蓋を外して俺に中の液体を吹き付けられて、何なのかがわかる。
山下を纏っている香水のようだ。

「親密な女なんていない。これは俺のだ。」
引っかかっていたのだろうそれを、こんな時に明らかにしたがるなんて、俺は知らなかった。

目線を細めた山下に下唇を食まれる。

「俺の香りの康介を抱きたい。」
「そんなに煙草臭い?」
「そうだよ。」
苦笑する山下を見ながら、今日何本吸ったかを考えた。

ズキッと今までで一番の痛みを下腹部に感じ、そちらに目線をずらせば、今までのような吸引が俺の亀頭でされていた。

フェラというよりは、本当に鬱血させたいだけの、吸引。

「他の事考えるなよ。今触れているのは俺だ。」

こんなに嫉妬深かったっけ?と思いながらも、嬉しいから口には出さなかった。

違う体の部位にまたキスマークを付けられるのだろうという俺の思惑は外れて、山下は俺の勃起したちんこをしゃぶり始めた。


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