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さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~

第2章 SideⅡ(沙絢(さあや))~デートの約束~

 そう、沙絢はずっと、楽になりたいと思っていた。ずっと自分を絡め取り、縛り付けていたすべてのものから。
 沙絢の小さな心を氷のように頑なに凍らせていたものたちから。
「いつか話しても良いときが来たら、話してくれ」
 押しつけがましさのまったくない口調に、沙絢もまた自然に〝うん〟と頷いていた。
「だからさ、私が死んだって誰も哀しむ人はいないの」

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