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さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~

第2章 SideⅡ(沙絢(さあや))~デートの約束~

「―それに温かいわ」
「そっか。それなら良かった」
 男はしみじみとした声で言った。
「なあ、そろそろ訊いても良いか?」
 唐突に問われ、沙絢は弾かれたように顔を上げる。
「なあに?」
 思わず出した声は我ながら十七歳とは思えないほど幼く頼りないものに聞こえた。
「何で死のうなんて思った?」

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