テキストサイズ

さよならから始まる恋物語【Love story】~雪の女王~

第4章 SideⅣ(沙絢)~雪の女王~

 二階の自室までの階段を上るのがまた大変だった。築三十年の建物にはエレベーターなんてものはない。痛む右脚を庇いつつ一段一段上がって、いつもなら考えられない時間ををかけて漸く部屋まで辿り着き、後はベッドに倒れ込むようにして深い眠りに落ち、気がつけば翌朝だった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ