君に恋した冬
第20章 真実に辿り着いて…
その言葉にアキラは驚いた表情をして
「傷?怪我してんのか?」
ちょっと焦った様に由梨に詰め寄る
『怪我じゃなくて…その…』
言いよどんでいる由梨にしびれを切らしたアキラは
「いいから見せてみろよ」
グッと由梨の服に手をかけた
『だ…め!』
ダメ…この傷を見られたら…
もう本当に言い逃れ出来ない…!
それでもアキラの強い力に適う事なく、お腹についた帝王切開の痕を見られてしまった
「お前…この傷…」
驚いて固まるアキラに、サッと服を直して背を向ける
男の人から見たら刺し傷の様にでも見えるのか、アキラは相当焦った顔をしていた
「それ…どうしたんだよ」
少し怒気が含まれている声音に、勘違いをしているんだと確信する
ダメだ…もう…言い訳出来ない…
由梨は胸の前で小さく拳を作って
おずおずと背を向けたまま口を開いた
『……子供が……出来たの……』
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