君に恋した冬
第12章 そしてまた一つ
やだ…どうしてこんなに…
「由梨」
また耳元で自分の名前を囁かれ
自然に身体がピクンと反応する
『っ…なに?』
そんな由梨を見てアキラはクスッと笑って
「耳まで真っ赤…」
ペロッと耳朶を舐めた
『ひゃっ…』
思わず甘い吐息が由梨の口から洩れる
するとアキラは抱き締める力を少し弱めて
「でも、先に飯にするか」
と言って少し名残惜しそうに由梨を離した
ご飯なんかより…私…
そこで由梨はハッとする
私…何を求めてるの…?
離れた身体が寂しくて
すぐにでも抱きつきたい衝動に駆られる
鳴り止まない心臓
アキラが与えてくれる大きな安心感
自分の居場所はここにあると思わせてくれる
私…アキラの事…
好きなの…?
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