君に恋した冬
第10章 一筋の光
「白川さん。お加減いかがですか?」
『…少し楽になりました』
「そうですか。それは良かったです。
ただ、しっかり食事は摂らないと。
胃袋がほぼ空の状態でしたよ」
『すみません…ご迷惑おかけしました』
白衣の中年男性は極めて優しく話してくれるが
後ろのスーツの数名は厳しい顔をしている
「悪いんだけど、付き添いの方は少し外してもらえますか?」
スーツの1人が口を開いた
「わかりました」
浅井はそのまま廊下へ出て行った
ただならぬ空気が辺りを包む
『…?』
白衣の中年男性がぽつりと口を開いた
「白川さん。今からこの刑事さん達と少しお話してもらいたいんだけど、体調は大丈夫かな?」
刑事さん…?
『…はい』
「しんどくなったらすぐ言ってね」
そう言って白衣の中年男性は後ろへ下がり
交代に刑事と呼ばれた3名の人達が前に出る
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