君に恋した冬
第10章 一筋の光
休憩室には浅井と歩美が楽しそうに話していた
そして2人共由梨を見て絶句する
「由梨…どうしたの?」
歩美が心配そうに駆け寄ってくる
『ん?何が?』
極めて普通に話す。
だって何もないもの。
「なんか…ちょっと痩せすぎだよ…?」
『最近太ってきてたからちょっとダイエットしてるの』
「別に太ってなかっただろ」
浅井が口を挟む
「あんた、マジで今日帰れば?
顔色やばいよ」
「そうだよ、由梨…目のクマもすごいし…」
『本当に大丈夫だよ。全然元気』
ニコッと笑う由梨にはやはり覇気がない
どこか足元もおぼつかなくて
歩美はハラハラした顔で更衣室まで着いてきてくれた
他のスタッフからも色々心配され
何か食べた方がいいと口々に言われたが
由梨は全てやんわりと受け流し
仕事に没頭した。
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