君に恋した冬
第10章 一筋の光
この時初めて由梨は気付く
アキラは、私のことどう思ってるのかな
離さないって言ってくれた
でも大智くんとも付き合っていいとも言ってた
じゃあ、ただ単にエッチ出来る相手を
失いたくなかっただけ…?
でも何かあったらすぐ言えって言ってくれた
いつも優しかった
でもアキラは私のことは何も訊かない
私の行動にも何も言わない
私に興味がないから…?
そう言えば私もアキラのこと何も知らない…
名字さえ知らない…
アキラって名前が本名なのかもわからない…
私もアキラに何も訊かなかった
ーーあいつも、もうお前とは会わないってさ
もしかしたら、本当にそう言ったのかもしれない
だって私、アキラの彼女でも
何でもないもの…
あれだけ肌を重ねたけれど
私達は身体でしか繋がっていなかった
アキラとの絆は
こんなに脆かったんだね…
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