君に恋した冬
第9章 豹変する彼
家からすぐのバイト先に着き
「終わったら連絡して。適当に待ってるから」
『わかった…』
力なく返事をして大智と別れる。
更衣室までは一度休憩室を通らないといけない作りになっており
休憩室には浅井が着替えを済ませて座っていた
「…」
『…』
目も合わさず通り過ぎようとすると
あれほど由梨を無視し続けた浅井が声をかけてくる
「あんた…その顔どうしたの…?」
『え…?』
どうやら平手打ちされた左頬が
赤く腫れ上がっていたらしく、
それよりも身体中が痛む由梨は全く気付いていなかった
「すげぇ腫れてるけど」
あぁそのことかと思い
『あぁ…私が悪いから…』
どこか上の空で返事をする由梨を
浅井は無言で見送った
そのまま本日の業務を開始するが
由梨はほとんど上の空で
目に余るものだった
痺れを切らした浅井が、休憩時間に由梨に問いただす
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