君に恋した冬
第5章 新しい生活
そのまま家まで送ってもらい
アキラはバイトに向かった
最近聞いた話だと、どうやら夜は
BARでバーテンダーをしているらしい
ふと郵便受けに目をやると
毎月25日に必ず届く茶封筒が入っていた
差出人は書かれておらず
「今月分です」
とだけ書かれた紙と20万円が入っていた
はぁ、と溜め息をつき
その封筒を持って中に入ろうとすると
大智が偶然家から出てきた
「あ…」
『あ…』
お互いに目を見て驚くが
どちらから話しかける事もなく
それぞれ目を反らして足を進めた
ズキンッと心が痛む
『もう、忘れたんだから…』
声に出して強がることしか
由梨には出来なかった
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