
陽だまりの仮面 -嘘-
第3章 美女とメガネ
『では、帰りましょう』
『お、お願いします…ッ!』
あたしの声を仕切りに花木君は自転車を漕ぎ始めた。
あたし達の学校は、玄関を過ぎると正門までが急斜面の下り坂になっていて
あたしは振り落とされないように、彼の制服をギュッと掴んだ。
無言のまま、自転車を漕ぐ彼。
その後ろで、止む事なく心臓をバクつかせてるあたし。
余りくっつき過ぎるとあたしのドキドキが花木君に伝わっちゃうんじゃないか?!
そう思ってしまって、
それだけは恥ずかし過ぎるから避けたい。
だから、あたしは花木君の背中から出来るだけ離れようと
上半身を仰け反ってみたりしてみたけれど、それを何度か花木君に注意されてしまって。
それでも止めなかったあたしに、彼は冷めた声で一言。
『そんなに落ちたいんですか?』
………いや。
漕いでる自転車から落ちたいわけじゃない…。
寧ろ、落ちたくは無い。
結局、あたしの手は彼の制服を、ギュッ。
『お、お願いします…ッ!』
あたしの声を仕切りに花木君は自転車を漕ぎ始めた。
あたし達の学校は、玄関を過ぎると正門までが急斜面の下り坂になっていて
あたしは振り落とされないように、彼の制服をギュッと掴んだ。
無言のまま、自転車を漕ぐ彼。
その後ろで、止む事なく心臓をバクつかせてるあたし。
余りくっつき過ぎるとあたしのドキドキが花木君に伝わっちゃうんじゃないか?!
そう思ってしまって、
それだけは恥ずかし過ぎるから避けたい。
だから、あたしは花木君の背中から出来るだけ離れようと
上半身を仰け反ってみたりしてみたけれど、それを何度か花木君に注意されてしまって。
それでも止めなかったあたしに、彼は冷めた声で一言。
『そんなに落ちたいんですか?』
………いや。
漕いでる自転車から落ちたいわけじゃない…。
寧ろ、落ちたくは無い。
結局、あたしの手は彼の制服を、ギュッ。
