テキストサイズ

陽だまりの仮面 -嘘-

第12章 思いもよらない結末

「そう、ですか」


って、あたしの言葉が予想外だったのか何なのか。


一瞬、目を見開き驚いた顔をしてみせたけれど、直様、クシャリと笑って


“なら、良かったです”と目を細め微笑する花木君に





―――花木君は……?



花木君は、楽しかった……?




一言、聞いてみたいけれど

何か口を開こうとする度、美樹の顔が脳裏にチラつき



「ッ、」



綴じてしまう。


もしかしたら…。

あたしと居た事より、彼女と過ごした時間の方が今日の記憶に鮮明に残ってるのかもしれない。


なんて、我ながららしくもないマイナス思考をバンバンしちゃう


ヘタレ脳。


あんな女の事でウジウジしちゃってるなんて、あたしらしくない。

今日が楽しかったか?

楽しいに決まってるじゃん。

だって、あたしと過ごせたんだよ?

楽しくないわけがない。



―――なんて。



クソ木山や橘だったら思えてる、あたし様思考も



花木君には、通用なんてしないんだ。

全然、通用なんてしないんだ。




………こんな時、思う。





恋って、厄介だ。





と。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ