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陽だまりの仮面 -嘘-

第11章 手に届くのに・・・・

だけど。

それを認めたくないっていう気持ちと

ただ


悠希の今カノ。

記念すべき、初カノ。


出来ればそういう立場であって欲しいなっていう祈りに近い気持ちで悠希に問うてみたけれど



「……それってさぁ、」



流石、兄。



「美樹が“彼女ならいいな~”って思いながら俺に聞いてんだろ」


「うっ……」



ズバリ、お見通しだった。


“やっぱりな”って言いながらソファに足を組んでドカッと座り
両腕を頭の後ろで組んで



「ざ~んねんでしたー」



おちゃらけ声で一言。



「俺と美樹はただのクラスメイト。

お前の都合いい展開にならなくて残念だったな」


上目で意地悪げな視線を向ける悠希。




………彼女じゃないんだ。




「じゃぁ、花木君とあの女はどういう関係?」


なんて悠希に訪ねてみたけれど


「俺が知るか!」


ケッ!て吐き捨てごもっともな返事。



「2人、訳ありだったりして?」



ニタニタ笑いながら言う悠希の言葉も満更でもなくて



「うっさい!黙れ!」



キッと睨みながらも、心が痛む。







――――訳あり、かぁ。






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