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甘恋〜こ、こんなのあり?〜

第12章 文化祭②with瑠衣

次の日。

ついに今日は文化祭当日!!


うちの高校の文化祭の出し物は、クラスごとの展示や模擬店、はたまたダンスや演奏など色々。


その中に文芸部の作品出店があって。


「いかがですかー?文芸部でーす!」


廊下で売り込みをしてるんだけど。

お客さんがたくさんいる割には誰も立ち止まってくれない…


このままじゃ去年の二の舞に…
って思ってたのに。


「そこのお姉さんっ!僕たちの書いた作品、ちょこっとでいいんで見て行きませんか?」


ぱあっと子どもみたいなスマイルを若い女の子たちに向ける瑠衣。


他校の女子かな。制服着てるし。


ていうか…瑠衣の営業スマイルが半端ない。


「えー、どうしよっか」

「でも君、1年生?可愛いねーっ」

「ちょっとだけ見てく?」


あーあー…引っかかっちゃって…

まぁあたしにとってもありがたいことなんだけどさ。


瑠衣はやったぁ!と言って彼女たちを案内している。

あのスマイル技は瑠衣にしかできないなー。


「心乃先輩!先輩の作品も紹介してくださいよっ」


突然瑠衣に声をかけられ、あたしはびくっと体を震わせた。

瑠衣を見ると、隣に女の子を連れたままにこにこしてる。


彼女たちの手には瑠衣の書いた小説が。

どうやら自分の本は売れたらしい。


「紹介って言われても…」


いきなりのことに戸惑うあたし。

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