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花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~

第13章 山茶花~さざんか~ 其の参  

 出逢った夜、夜空に舞っていた雪のように儚い笑顔は、あの夜、たった一瞬で曽太郞の心を捉えた。
 生涯を共にするのなら、自分にはあの女しかいない。もし、両親がどうでも認めぬというのであれば、曽太郞は鳴戸屋の跡取りという地位も何もかも捨てるつもりでいた。
 脅しではない。心から、あの女を欲しているのだ。

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