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花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~

第12章 山茶花~さざんか~ 其の弐 

 いつか、曽太郞と共に、父の生まれ育った海辺の村にゆける。曽太郞と所帯を持ち、彼の妻となり、二人の間に生まれた子どもたちを連れて。
 浜木綿の群れ咲く浜辺に立つ幸せな一家の姿をふと思い描き、千汐は胸が熱くなった。
 でも、これは夢なのだ、千汐は懸命に自分に言い聞かせた。

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