やっと、やっと…
第13章 命
「大事なのは、唯がどう思うかじゃないの?」
遥のこの言葉に、心が刺されるように痛くなった
(私が、どう思うか…)
「いつも人のこと考えてばかりで、
自分のことは後回しで良いの?」
私を問い詰めるように遥が言う
「私は本当はまだ、智己のこと好きだけど…「好きだけど何?申し訳ないって?」
言い訳のような私の言葉を遮り、遥は言った
真剣な目で私を見つめながら
「唯がはっきりしないと、柴田だって傷ついたままだよ
自分だって辛いまま我慢しなきゃいけないんだよ」
香菜も私を真剣に見つめていた
二人がここまで真剣に考えてくれていることは
本当に感激した
だけど…
「まだ、智己に本当のことを話すのはできない」
「どうして?」
「今は、話せない。今は無理だよ
自分のこと考えたら、今は話せない」
私は混乱していた
妊娠の疑いがあることも
心の中で大きな心配事になっていたから
「妊娠してるかもしれないことを、まずどうにかはっきりさせないといけないと思うの
今はこの事が心配だよ」
私ははっきりと答えた
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