仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~
第4章 二つめの物語~梨羅の姫君~
皇帝の后になるとはいえ、桃華は和平の約束の証として迎えられるのだ。いわば、内実は体の良い人質である。桃華の父である羅の国王は四十を幾つか過ぎたばかりであったから、現実として桃華と良人たる皇帝は親子ほども歳が違うことになる。また、超の皇帝李彩鳳(りさいほう)は若い頃に一度皇后を迎え、数年後に喪っている。いわば、寡夫であった。だが、超と羅の国力の違いを思えば、羅王は超の申し出に逆らうことなど、およそ考えられないのであった。
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