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仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~

第6章 三つめの物語~砂漠の鷹~

「今の言葉はお聞きにならなかったことにして下さい。人には誰しもけして訊いてはならないこと、触れてはならない部分があります。その方が望まれないのに、不必要に詮索するのは罪深い愚かなことです。どうか、不用意な私の言葉を許して下さい」
 翠華が心からの謝罪にも、修明は何の反応も示さない。その漆黒の夜の瞳は、静まり返ったオアシスのように、何の感情も読み取れない。

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