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仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~

第6章 三つめの物語~砂漠の鷹~

「こっちへ来るんだ、翠華」
 首領格の男が一歩前へ進み出る。翠華と呼ばれた少女が気圧されたように後ずさった。取りすがった少女の上着を握りしめる指先にいっそうの力がこもったことに、男は気づいていた。
「どう見ても、この子は嫌がっているようにしか見えない。見れば、まだ年端もゆかぬ子どものようだ。お前たちは、こんな子ども一人にいい大の男がよってたかって何をしようというんだ?」

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