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仙境綴~美しき仙界の王と身を捧げる少女~

第4章 二つめの物語~梨羅の姫君~

 重臣たちが諮り、国中から選りすぐった様々な美しい娘たちを後宮に入れ何とか皇帝の眼に止まらせようと試みたが、それは徒労に終わった。彩鳳はそれらの娘たちを一同に集め、あろうことか希望者はすべて里方へ帰してしまったのだ。中にはふるさとの村に婚約者がありながら、役人に無理に都に連れてこられた娘もいて、彩鳳の計らいは慈悲深いものとして、逆に皇帝の寛容さを人々に印象づけることになった有り様であった。

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