悪魔と淫美な世界へ
第4章 ~ 捧げる想い ~
着いた先は自宅で、魁はゆきをベッドに軽く放り投げた。
「きゃっ」
「お前は俺のものだ
誰にも渡す気はない」
「…わたしは…魁のもの じゃない…」
「奴に心奪われたのか? 」
「そっそんなんじゃ…」
『彼氏を妬かせるのっ』
ふと里香の言葉が頭を過ぎり、ゆきは意を決してまた口を開いた―――
「…そう‥かも…」
「本気か?」
「…うん
蒼空は…わたしの事好 きって言ってくれる…
だけど魁は‥‥」
溢れてくる涙をこらえ…ゆきは、その今にも泣き出しそうな顔を隠す様に俯いた。
「…俺は…誰かを愛した 事などない
…今までは‥な…」
「っ…」
魁はゆきを押し倒し、その完璧な身体を覆い被せた…
「…お前が他の奴といる のを見ると‥いい気が しない
あの遊園地でも…今も ‥‥」
えっ‥‥それって‥‥
「悪魔が嫉妬なんて…笑 えるだろう?」
「そっそんな事‥ない… 」
切なく‥何とも言えない様な顔をした魁に、ゆきの心は一瞬にして奪われてしまった。
「誰かを愛すのは‥こん なに胸が苦しくなるの か…?」
「うん…
わたし…魁が他の人と …その‥‥エッチして たって聞いた時は…
胸が張り裂けそうなく らい痛くて…苦しかっ た‥‥」
「…そうか…
…もう‥お前しか求め ない…だから―――…
もう一度…俺を好きに なってくれ‥‥」
「あ…」
待ち望んでいた人からの告白…
ゆきは涙が溢れ出し、嬉しさのあまり言葉を失ってしまった。
「泣くほど嫌だったか… ?」
「ううんっ‥嬉しくてっ
ずっと…魁に愛された いって想ってたからっ ‥‥」
「ゆき…」
魁の指が涙を拭い…優しく唇が重ねられた―――……
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