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秘め事は月の輝く夜に、あなたと~後宮華談~

第4章 心のゆくえ

 明香は両手をついた。震えまいとしても、身体がどうしても小刻みに震えてしまう。両手を膝の上で組んでギュッと握りしめてみても、震えは止まらなかった。
 王は、そんな彼女を穏やかな瞳で見つめている。いつか明香を力ずくで犯そうとしたときの王とは別人のように落ち着いていた。
 王が謝罪の言葉を嫌うのは知っていたが、この場合、何と言えば良いのか判らない。

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