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秘め事は月の輝く夜に、あなたと~後宮華談~

第4章 心のゆくえ

 過ぎ去った昔に戻ることできないのだ。
 叶うならば、この男(ひと)と共に人生を歩みたかった。でも、それは、どうしたって叶わない望みだ。この世には望んで良いことと、望んではいけないことがある。
 王への思慕は心の奥深く閉じ込め、三月(みつき)前の月夜のあの至福のひとときを一生の想い出として生きてゆこう。市井のどこかで王の御世が安からんことを祈りながら、一人で生きてゆけば良い。

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