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　いきなり盃を眼の前に突きつけられ、明香は眼を見開いた。たった今、満たしたばかりの盃が既に空になっている。
「主上(サンガンマーマ)、もうご覧のとおり、徳利が空になっております」
　明香は見えやすいように徳利を掲げて見せ、逆さまにして振った。
「新しいのを持って参れ」
「されど、もう五杯目にございます。これ以上はお身体に障りましょう」
　明香が遠慮がちに言うのに、王の眉がつり上がった。