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先生は私を愛さない

第2章 あの日の優しさをもう一度。

先生との出会いは満員電車の中だった。


私は1年の頃から登校に電車を使っていた。
8時05分という出勤ラッシュの時間帯に乗るため
満員電車に乗らない平日の朝を
体験したことがなかった。

高校に入学したばかりの頃は
毎日30分間、満員電車に乗っていることがひたすら苦痛だった。


朝から汗臭いサラリーマンや
香水をかけまくり悪臭を放つOLと
密着度120%の状態で居ることは
ただならぬ体力と精神力が必要だった。

そしてなにより
たまにくる"魔の手"には
まだまだウブだった私は心底参っていた。

痴漢。


これだけは満員電車登校から1年以上経った今でも
そんなに慣れたものじゃない。


最初の頃は本当に怖くて
ただただジッと我慢しされるがままだった。


しかし、さすがにこのままではダメだと思い
恐ろしく勇気のいる行為だったが
触ってくる手を思いきり抓るようにし始めた。


抓るとだいたいの男は割と大きめの声で
「いってぇ」と言って驚いていた。
周りの人は急に声をあげた男を
チラチラと見ていた。
自分への周りからの視線を感じた男は
痴漢行為やめ一件落着といった感じだった。

だいたいの男は。



たまに抓っても驚かず行為を続けてくる男などがいた。
その時はもうどうすることもできないから
その男がやめるまでジッと耐えていた。




そして私の運命を変えたあの日ーーー
3ヶ月前の4月x日、その日も
そういうタイプの痴漢にあっていた。


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