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そして僕等は絡み合う

第2章 宮脇 詞の場合

「お疲れ様でしたぁ~!」


従業員出入口を出ようとしたら、少し前に上がった筈の柴多が立っていた。


瞬間、モヤモヤと嫌な予感が湧いてくる。


「お疲れ~!また明日ね…。」


一言言って、すり抜け様としたら


「詞…お茶でいいから、少し話せないか。」


うっ!最近柴多、キャラが変わったよな。


「ゴメン…待ち合わせしてて。」


「高橋さん?」


柴多の顔付きが、変わる。


こんな感情を露骨に出す奴じゃ、なかったのに…。 


柴多も高橋さんに、ペースを崩されてしまってるんだ。


「柴多…高橋さんに振り回されないでよ…。私は榎田部長の指示に従ってるだけだし、マネージャーみたいな人も一緒だから、多分次回の打ち合わせだよ。」


高橋さんのペースは嫌だけど、自分がしたい方向性には、向かってる気はしてる。

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