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砂漠の月、星の姫~road to East~

第2章 第二夜【国境の月~road to east~】

「私は卑怯な人間です、私のために、大勢の人々を犠牲にしてしまった。あなたの言うとおり、私がハーンの言うなりにモンゴルへゆけば、国が滅ぼされることはなかった」
 そんなタリムから、男はそっと眼を逸らした。
「戦(いくさ)なんて、どんな大義名分を掲げてみても、所詮は人と人が殺し合うだけだ。たとえ、そなたがハーンの意のままに想い者となっていても、ハーンがあの富める国を放っておいたとは思えない。滅ぼされることはなくとも、属国にはなっていただろう」

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