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身代わり妹

第5章 揺心

凌太が立ち上がる気配がした。

でも…俯いたまま、顔が上げられない。

ドアの音が聞こえて、凌太は部屋に戻ったのだと悟った。



「美優? 大丈夫? 顔色悪いよ?」

由美さんが私の顔を覗き込む。

「美優、ちゃんと食べてる?」


心配顔の由美さん。

今日は少しだけ甘えてもいいかな?



「最近胃もたれが酷くて食欲がなくて……」

私の言葉に、由美さんはハッとした顔をする。


「ねぇ美優、生理は? ちゃんと来てる?」

「え?」


まさか由美さん、妊娠を疑ってるの?

てっきり検査入院の事を言われると思っていた私は拍子抜けする。


元々生理は順調にくる方だった。

でも、発作が起こるようになってから周期は乱れている。

今月はまだだけど、先月はきちんと来た気がする。



「……そろそろ来るとは思うんですけど……」

「生理前なのもあるのかな。発作も関係してるかもしれないし……将来の事もキチンと考えて、やっぱり検査した方が…」


なんだ…妊娠を疑ったんじゃなくてそっちか。


「はい……」

私は由美さんに苦笑いを返した。




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