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身代わり妹

第5章 揺心

<side 凌太>


「昨日は美優の誕生日だったのすっかり忘れてて! 今夜パーティーやるからね!」

有無を言わさない母の言葉に、俺は苦笑いで頷いた。



美優の誕生日…忘れる訳ない。

4年間付き合ったのに、一度も一緒に過ごせなかった。

それでも美優は文句も言わなかった。


”立派なお医者様になって早く帰ってきて。そしたらずっと隣にいてね”


誕生日も…クリスマスも……恋人らしいイベントに帰れない俺に、美優はいつもそう言っていた。



─────だから、決めてたんだ。


机の引き出しを開き、綺麗にラッピングされた小さな箱を取り出す。

去年の美優の誕生日の後に買ったものだ。

今年の美優の誕生日に渡そうと思ってた。



”ずっと隣にいて欲しい”

その言葉と共に─────…


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