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身代わり妹

第17章 【プレゼント】第二章・変化

美姫にそっくりな凛を連れて、美優の母親に会いに行くのは、俺でも怖かった。


初めて凛をここへ連れて来たのは半年前…真冬の事だった。

睦月さんと文子さんも心配して、部屋まで着いてきてくれたのを覚えてる。


美姫の墓前での事は覚えていないのか、人見知りのない凛は美優の母親の元にもすぐに駆け寄って行った。



でも…

「美姫ちゃん⁈ 」

母親は凛を美姫と呼ぶ。


「みきちゃんない! りん!」

凛はそう叫びながら、美優の母親の必死に身体を押し返していた。


「早苗さん、この子は美優ちゃんと凌太くんの子供の凛ちゃんよ」

文子さんは、美優の母親に諭すようにそう言いながら、怖がって泣き叫ぶ凛をその腕の中から助け出す。


「美姫ちゃん‼︎ 」

どれだけ言っても、美優の母親の凛への呼び名は”美姫”だった。


必死の形相で、凛を抱こうとする美優の母親に、凛は会う度、怖がって泣いた。



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