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身代わり妹

第13章 敵意

でも、何よりも皆が彼女にイラついていた理由は、

”凌太先生への執着”



「凌太先生ぇ、今夜飲みに行きませんかぁ?」

凌太先生の腕に自分の腕を絡める朝倉さん。


「パス」

凌太先生が朝倉さんを引き剥がす。


「トスッ」

朝倉さんがまた絡みつく。



凌太先生は美優先輩の旦那さんなのに!

美優先輩の幸せを壊すな‼︎


最近ではもう皆のイライラが爆発寸前だった。



そして今日、最悪の事をやらかしたのだ。


朝倉さんが、美優先輩の背中を押す所は何人かの人が見ていた。


朝倉さんをビンタしたくなる美優先輩の気持ちはわかる。

というか、あの優しい美優先輩がビンタって、相当頭に来たんだと思うし、ビンタされて当然だ。


なのに朝倉さんは

「お腹殴った訳でもぶつけた訳でもないじゃん? ちょっと背中押しただけ。大袈裟過ぎる! そんな事でビンタされた私の方が可哀想じゃない‼︎ 」

と言い放った。



「故意に妊婦を転ばせといて最低! 叩かれて当然だよ!」

私の言葉を皮切りに、皆の不満が爆発していった。

日頃からの態度や行いを直すよう皆に言われ、だんだんと涙目になる朝倉さん。

「こんな病院、今日限りで辞めてやる!」

と言って飛び出して行った。



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