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身代わり妹

第12章 新人

「こうして見ると、あっという間だったね」


凌太と一緒にベッドに寝そべり、母子手帳に挟んだエコー写真を眺める。

不意に私の手から滑り落ちた母子手帳。


「あー…」

お腹が大きくなってきたから、起き上がるのもそこからしゃがむのも一苦労。


モソモソもがいてる間に、

「ほら」

サッと起き上がった凌太が母子手帳を拾って渡してくれる。


「あ、ありがとう」

ベッドに座った凌太の隣に、私もようやく起き上がり座る。


「もっとお腹大きくなったら靴下履かせたり、爪切ったりしてやるな」

うっ…それ、確かに大変になるってよく聞くけど……。


「ええ⁉︎ そんなの悪いよっ」

それに何だか恥ずかしい。


「なんだよー、もっと甘えろ」

凌太の手が優しくお腹を撫でれば、

まるでその手が凌太だとわかるかのように、お腹の中の赤ちゃんがポコポコと胎動で応える。



……やっぱりちょっと妬ける(笑)




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