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不器用なタッシュ

第6章 不安

翌日も俺は香織を呼び出した。


多分、無意識に試していただろう。


香織は何だが疲れた顔をしていたから、余計不安が増してきた。


マンションに着いたら、香織は夕飯を作ってくれた。


野菜炒めと春雨スープ。


缶チューハイを俺に渡したが、自分は要らないと言って飲まない。


二人で黙々と食事する。


香織は、少ししかたべなかった。
更に


「これ片したら、帰るね…。」


ガチャガチャと皿を洗いながら、テンションが低い声で言ってきた。


とっとと、帰りたそうな雰囲気だ。


「泊まらないの?」


少し間が有ってから


「体調が、余り良くなくて…。」


確かに顔色は良くないけど…だったら


「寝てけばいいじゃん。」


「悪いし…。」


不機嫌そうな声に、一気に疑念と怒りが湧いてくる。


「俺と、居たくないのかよっ!」


香織の濡れた手首を力いっぱい握った。

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