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秘密の派遣業務

第40章 再会

紗江の温もりを腕に感じながら…
桐沢は胸が甘く疼くのを感じていた。

紗江の驚いた顔…
途切れ途切れに発せられた言葉…
震える声…
溢れた涙…

それらがどれだけ紗江が想いを募らせていたかを痛いほどに伝えてきた…。

それを見た瞬間、目眩がするほどの胸の疼きを感じた。

その疼きが堪らなく心地よくて…

(…手放せる筈が…なかったな…)

改めて実感した。

そして…
半年という月日が途方もなく長かったと思い知った。

家までの距離が遠く感じた。
家までの時間が長く感じた。

想いを込めて握る手に力を込めた。

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