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詩集

第21章 代償

スキの代償

それは、冬の曇り空のような透き通った

でも淀んだ、冷たい感情

お姉ちゃんと同じ人を好きになってしまった

私の代償

目の前で

一組の男女が性交渉をしてる

パン、パン、パン

とテンポよく、肉と肉のぶつかる音

女性器と男性器でする性行為

かんたんに言えば普通のエッチ

普通じゃないところといえば、

姉の性行為の空間に私がいること

私の好きな人が違う人とエッチしている場所に

私がいること

先輩がグリグリと腰を動かす

膣の奥で亀頭が暴れる

そこは私の性感帯だ

ひときわ高い鳴き声を聞きながら

あるはずもないそれを求めて

私のお腹底が軋み始める

そろそろだ…

ふっと姉の上に覆いかぶさって

大好きな人にお尻を向ける

どすんと乱暴な突き上げがあって

愛液でぐちゅぐちゅに濡れたコンドームが彼に覆いかぶさっていく

早熟なかのじょのための未熟な代替品

来ているかのじょと

来ていないわたし

キライなかのじょと

スキなかれ

彼と彼女の間に挟まれた

血の通った妥協点として

まだ卵の来ない私の器に

彼の愛が注がれる

枕に顔を埋めて

でも肩越しに彼と彼女のキスを感じる

身体は愛を感じるのに

心は愛を感じない

同じ人を好きになってしまった

私の代償

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