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「香奈…あ、あたしは……」


震える声。


そんなあたしの手を、強く握りしめる香奈。


「別れたくないって澪が言うのはわかってた。けど…

透の話でわかったでしょう?あの男に澪への想いはないってこと。

気持ちが少しでも彼にあったのなら、あたしはそれに賭けてみようって思えたかもしれないけど…


でも、遊びだなんて言われて、許せるわけないよ…あたしの…



あたしの、大切な親友なのにっ」


ぽろぽろと涙を流す香奈。

気付けば、あたしの頬にはとめどなく涙が溢れていた。


こんなにも、あたしを想い理解してくれる存在がいるのに。


自分のことでいっぱいいっぱいだった。