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空の記憶~あなたと私と彼、それから~

第21章 番外編第四話【轍~わだち~】

 ノートの中には様々な景色があった。かつて祖母も暮らしていた都市の街並、どこかの海辺の風景―、白い砂浜に打ち寄せる波、どこまでも続く海原には帆船が二隻、浮かんでいる。砂浜には松林が見え、ちぎれ雲が浮かぶ夏の空には白いカモメが高く、寄り添うように二羽飛んでいる。

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